内科専門医のための診断学・6
膵疾患の診断(その1)—診断法概要ならびに各検査法の重要度
小田 正幸
1
,
信太 秀夫
1
1信大内科
pp.1119-1123
発行日 1970年6月10日
Published Date 1970/6/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402203253
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はじめに
膵疾患の診断の困難さは周知のことである.膵は腹腔深部に位置し,かつ扁平な臓器であるだけに触診がむずかしい.さらに自覚症の主要部分を占める腹痛その他の消化器症状についても,後述のように他の上腹部臓器疾患のそれと鑑別しにくい.最近,Pancreozymin-Secretin試験(以下P-S試験と略す)をはじめ数種の新しい検査法が考案されたものの,なお他臓器疾患の検査法に比べると十分とはいいがたい.
近年,膵疾患への一般の関心がましてきて,多くの症例が集積されるにいたったことは喜ばしいが,たとえば慢性膵炎ひとつをとり上げてみても診断基準のとり方にも問題が残されており,今後の検討が必要である.
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