グラフ
経静脈性腎盂撮影法(IVP)
中村 宏
1
1慶大・泌尿器科
pp.1042-1047
発行日 1970年6月10日
Published Date 1970/6/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402203230
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
IVP 静注された造影剤が腎から排泄されて尿路を描出する経静脈性腎盂撮影法は,もっとも生理的に近い状態で全尿路を造影することができる.施行前6時間は禁食禁水とし,前夜ヒマシ油30mlを投与する.造影剤静注前に腎尿管膀胱部の単純撮影を行ない,すぐ現像して至適線量を決めるとともに,体位を補正し,尿路結石の有無を知る.造影剤の量は造影剤の種類によって多少異なるが,クロールトリメトン5mgを混注静注すると副作用を防止あるいは軽減しうる.まず1mlを静注して1分間様子をみ,蕁麻疹・喘息などが起こらなければ,残りの造影剤を1分間かけて静注する.静注終了後5,15分後に仰臥位で撮影し,25分後に立位にしてただちに撮影する.近時造影剤が改良されたので,頭を低く下げたり,圧迫帯で尿管を圧迫したりする必要はない.高血圧の患者では19ゲージの太い針を用い,1分間のテスト後,造影剤をできるだけ急速に静注し,2分,3分の撮影を追加する(図1~4).
Copyright © 1970, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.