文献抄録
間歇的腰痛者における利尿IVPの意義
pp.1010
発行日 1978年11月20日
Published Date 1978/11/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1413202641
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間歇的におこる腰痛の診断で正常の排泄性腎盂撮影では異常の認められない場合がしばしば問題となる。これらの患者について十分水分を摂取させたり,利尿剤投与後に腎盂撮影与行なうと水腎症を発見することがある。最近では,Robinsonら(1960)はMannitol投与,あるいはSaxonら(1969)はFrusemide投与を行なつて間歇的水腎症の誘発を試みている。著者らは22名の間歇的腰痛を主訴とする患者に,正常の排泄性腎盂撮影(IVP)のほかに利尿剤併用腎盂撮影,急速腎盂撮影,立位撮影などを行なつて腰痛と腎盂像の関係を追究した。正常IVPとしては30%ウログラフィン250mlを急速静注後,臥位にて7分像と立位の14分像を撮る。利尿剤併用法は造影剤と共にFrusemide 20mgを静注後5,10,15分で腎盂像を見る。正常の判断は左右造影剤排泄が平等でかつ15分で完全に排泄されたものとした。患者は女性17名,男性5名で,腰痛側は右側11例,左側12例,両側1名であつた。この22名中水腎症の発見された者は15例で右水腎7例,左水腎8例である。水腎を示した15例を2群に分けてみると,IVPで腎杯拡張を呈したもの7例,IVPでは腎杯拡張はないが,他の方法では水腎ないし腎杯拡張を示したもの7例であつた.この検索で著者は次の点を強調している。
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