文献抄録
泌尿器科的無症状者のIVPの意義
pp.799
発行日 1972年9月20日
Published Date 1972/9/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1413201448
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Warranらは400例の腎実質腫瘍の検査において80例が臨床的には無症状であつたことを指摘しているが,腎腫瘍の早期発見は血液化学,細胞学的スクリーニングでは必ずしも十分でない。そこで著者らは高血圧を主訴にしているが,尿路症状のまつたくない558人の患者についてIVPを実施して尿路疾患の発見頻度について検討を加えてみた。
その成績についてみると,558人中445名(79.8%)は異常所見はみられなかつたが,113名(20.3%)になんらかの異常がみられた。この113名は年齢的には大部分が40歳以上の者で,50歳から70歳までの者がほとんどを占めている。泌尿器疾患としての主なものをみると,腎腫瘍1,卵巣腫瘍2,UPJ狭窄で手術を必要とするもの1,腎結石7,高度の尿管狭窄1,前立腺に関する下部尿路の疾患29,など相当数の泌尿器疾患が無症状のものから発見されている。
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