治療のポイント
新強力利尿剤の薬理とその使用法—Furosemide,Ethacrinic acid
日野原 重明
1
1聖路加国際病院内科
pp.313-315
発行日 1970年3月10日
Published Date 1970/3/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402203012
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新強力利尿剤の登場
強力な利尿剤として最初にとりあげられたのは有機水銀剤のNovasurolであったが,これは1919年のことであった.その後,有機水銀剤に代わる強力な利尿剤は久しく現われなかったが,1957年になってサルファ系のThiazide剤としてChlotrideが登場し,以後ぞくぞくとこれよりも少量で効くサイアザイド利尿剤(Dichlotride,Fluitran,Renese,その他)または,ズルフォシアミド系の利尿剤(Hygroton,Diurex,その他)が広く用いられるようになった.
ところが近年になり,合成されたFurosemide(1964年)やEthacrinic acid(1962年)は,今までのどの利尿剤よりもはるかに強力な利尿作用を呈することが明らかにされ,これらは心不全による乏尿をはじめとし,そのほか種々の原因による乏尿や浮腫の治療に最もしばしば用いられるようになってきた1).急速な利尿効果のあることから,急性肺水腫にも好んで用いられるようになった.
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