治療のポイント
慢性膵炎
石井 兼央
1,2
1国立がんセンター血清部,内科
2国立がんセンター内科
pp.310-312
発行日 1970年3月10日
Published Date 1970/3/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402203011
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診断の問題点と治療
慢性膵炎は最近になって注目されはじめた消化器疾患の1つであるが,その臨床像,病型については多彩であって,その診断根拠についてもさまざまの意見があるのが現実である.慢性の経過をとる上腹部痛,背痛,食思不振,体重減少,下痢,便秘などの腹部不定症状があって,とくに上部消化管には病変がみとめられない場合(ただし膵機能試験などによれば消化性潰瘍と慢性膵炎との合併は少なくない),胃X線検査で膵臓の部位に一致して圧痛がある場合は慢性膵炎の疑診は十分おく必要がある.しかしこのような自覚的,他覚的所見だけからでは膵臓に病変があることを確定することはできない.筆者は慢性膵炎の臨床診断をつぎの基準によって行なっている.
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