今月の表紙
高血圧症の眼底(螢光造影)
清水 弘一
1
1東大眼科
pp.1088
発行日 1969年10月10日
Published Date 1969/10/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402202818
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高血圧症眼底の螢光造影所見である.図の右下隅に乳頭の一部がみえ,そこから左上方に太い静脈枝と,その下に並んで走る動脈枝とがみえている.乳頭のすぐ近くで静脈枝が動脈枝をのりこえているが,その際に,静脈枝はくびれをみせ,さらに走向が弓状に屈曲している(humping現象).
画面の中央を横走する動脈枝は,迂曲化と径の変動がいちじるしい,segmentary narrowingとよばれている所見である.この動脈枝と交叉している細い静脈枝は,いずれも交叉部で「く」の字に曲がり,同時に内径の狭窄をも伴っている,この動脈枝が,高血圧症のために軸方向に伸展し,そのために屈曲したと考えてよい所見である.
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