EDITORIAL
リウマチ性疾患の疫学
七川 歓次
1
1阪大整形外科
pp.1419
発行日 1968年12月10日
Published Date 1968/12/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402202466
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最近では,リウマチ病研究の新しい分野として,疫学的研究が急速に発展している.その国際的なシンポジウムもすでに3回を重ね,わが国もふくめ,世界各国の成績がかなり豊富になってきている(Bennett and Wood,1968).
現在までのところ,これらの成績から,最もよく研究されている慢性関節リウマチについては,人種や緯度,都市や農村による頻度の差があまりなく(わが国では全人口の0.3-1%),世界中普遍的に分布されていること,年齢とともに増加し,女性に頻発すること,遺伝疾患とは見なされがたく,環境や生活様式のほうが発病に関連しているようであることなどがわかってきている.社会心理的因子を重視するCobbらは,すぐれた疫学的調査に基づき,この疾患は低い社会階層に多く,家族・社会関係の不適合が欝憤感情を介してその発生に主役を演ずるという意見である.
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