増刊号 診断基準とその使い方
VIII.膠原病・免疫・アレルギー
1.慢性関節リウマチ
七川 歓次
1
1七川紀念榊原リウマチ病センター
pp.2078-2082
発行日 1988年9月30日
Published Date 1988/9/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402222005
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■慢性関節リウマチの疾患概念と疫学
慢性関節リウマチ(RA)は原因不明の慢性の炎症性多発関節炎であって,病変は早期に関節滑膜にみられ,滑膜組織が肥厚増殖し,ついで軟骨,骨破壊を起こす.したがって最初は関節の痛み,腫れ,運動制限といった可逆的症状であるが,後には関節の変形,脱臼,強直のような不可逆的障害をきたし,身体障害者を作りあげる.
関節の炎症変化に伴って,全身的な炎症反応もみられ,発熱,貧血,白血球増多,血沈の亢進のような検査成績の異常が認められ,皮下結節,虹彩強膜炎その他血管炎に伴う諸病変を呈し,RAが全身病とされるゆえんである.
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