治療のポイント
動脈硬化とタバコ
中村 元臣
1
1九大循環器内科
pp.728-729
発行日 1968年6月10日
Published Date 1968/6/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402202251
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いつごろから動脈硬化症,すなわち末梢動脈の動脈硬化症や狭心症(冠動脈硬化症),あるいは脳動脈硬化症とたばこの関係があると考えられはじめたかは明らかでない.臨床家はしばしば狭心症の患者や,末梢動脈の閉塞性動脈硬化症,ビュルゲル氏病(閉塞性血栓性血管炎)の患者で喫煙により疼痛症状が増悪し,喫煙を中止すると疼痛が軽減することを観察している.したがってたばこをすうことがこれら動脈硬化や動脈炎の症状を増悪させたり,疾病の発生や進展を助長するのではないかと考えられる.これらの疑問は現在どのように解決されつつあるか,動脈硬化とたばこの関係はどのように考えられるかについて以下述べてみる.
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