今月の表紙
螢光抗体法
浜島 義博
1
1京大病理
pp.1721
発行日 1967年12月10日
Published Date 1967/12/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402202019
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免疫グロブリンにはIgG,IgAならびにIgMの三種がある。IgGは血中抗体グロブリンの主成分で,細菌抗原や異種蛋白抗原に対する抗体を含んでおり,IgMはそのなかにこのIgGに対する抗体であるという考えかたが支配的である。IgAはまだ,なにに対する抗体であるかは不明である。IgAならびにIgGは細胞性抗体とも関係があるとの説があり,表紙写真でおわかりのごとく,人腸粘膜などにはIgAをもつた細胞が,特に多数みられるにもかかわらず,血中には,これと平行したIgAは認められない。表紙の写真は,これら三つの異なつたグロブリンを螢光抗体二重染色で,おのおのの相互関係を観察したものである。IgGとIgA,IgMとIgG,IgMとIgAならびにKappaとLambda pelypeptidechainを緑色螢光のFITCと紅橙色螢光のTRITCで標識した抗体液で二重染色し,同一標本で両者の相互関係をみることができる。
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