読者から
メディチーナ4巻10号「薬の効果と副作用」を読んで
小野 公義
1
,
鈴木 秀郎
2
1姫路日赤病院皮膚科
2東大吉利内科
pp.1807
発行日 1967年12月10日
Published Date 1967/12/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402202043
- 有料閲覧
- 文献概要
問 降圧利尿剤の副作用について
本誌10月号の座談会「薬の効果と副作用」にて興味深い話題がとりあげられ,たいへん,参考になりました。そのなかで降圧利尿剤に関する副作用として日光皮膚炎が云々というお話がありましたが,最近,皮膚科領域においては,それほど,珍しい症例ではなくなつた光線性白斑黒皮症に関しては一言も述べられておりませんので,筆をとつた次第です。すでに多くの文献に記されているように光線性白斑黒皮症はベンゾサイアダイアジン(Benzothiadiazine)系降圧剤の内服によつて起こるものとされております。これは,けつして,珍しい症例とは,私には思えません。当病院でも,最近,3例の患者さんに出会いました。いずれも顔,手などの露出部位に白黒ぶちと表現できる醜悪な状態となって皮膚科を訪れたわけです。それまではいずれも内科の開業医の先生のところで高血圧の治療を受けていたのは,もちろんですが,皮膚症状に対しては,降圧剤の副作用を考慮せずにいわゆる白ナマズあるいはシミとして,扱われていることが多く,もう少し早く降圧剤の副作用だと気づいていたらといつも残念に思っております。露出部が白黒ぶちになるので,患者さんの精神的苦痛も非常なもので,「死んだほうがましだ」,とか「血圧などは,どうなつてもかまわないから,なおしてくれ」などと,ややヤケを起こしている感じの人が多いようです。
Copyright © 1967, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.