総会シンポジウムを聞いて
Iatrogenic Disorders
木島 昻
pp.872-874
発行日 1967年6月10日
Published Date 1967/6/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402201820
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
なぜこのシンポジウムを選んだか
狭い町内のホーム・ドクターを信条としている開業医の僕はいつたいなにが目的で医学総会に泊りがけで出かけて行くのか?自問自答を魁にしてみよう。まず,新しい医学にふれてみたい,新知識を少しでも獲得し学問に専念している人々がつくり出す雰囲気にあたつて,自分を啓発したいという欲望が第一。そして,千載一遇の機にもろもろの人々と旧交をあたためたいという浮き浮きした気持ちが第二として素地にある。だから総会プログラムが送られてきた日から,計画をねるのに楽しく忙しい。実際にはむだのない方法として,自分の立場で収穫の多いもの,理解できて,日常診療の患者たちに医院をあけた反対給付としてはねかえりのあるものを選ぼうという魂胆である。総会3日間,80題のシンポジウム中4題しか出席できないし,おまけに57題の講演やアドバルーンの昇る展示会会場をいれれば,"何を選ぶか?"はチャートを頼りに沈船の宝物を探すダイバーの心境にも似てはなはだ厳粛である。そうして,是が非でも出かけるという,行動があつたのである。
Copyright © 1967, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.