リハビリテーションを理解しよう・2
急性期におけるリハビリテーションを考えた看護
芳賀 敏彦
1
1リハビリテーション学院
pp.86-89
発行日 1967年5月1日
Published Date 1967/5/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661913148
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慢性に経過すると思われる長期にリハビリテーションを行なわねばならない疾患や傷害でも,初病時,経過途中における再発期,また疾患によって手術を必要とする場合においては,術直後の一定期間は,いわゆる急性期といわれ,自覚・他覚ともに重篤な症状を示すことが多い。前号で強調したように,この期間におけるリハビリテーションを考慮した看護がうまく行なわれれば患者が社会へ帰り得る可能性も多く,またそれに至る期間も短く,局所的にみた障害も残さないか,また残っても,その程度を最少限に止めることができる。これはリハビリテーションの観点からはきわめて大切なことであり,ある意味では,この期間の看護が,各種の慢性疾患治療のキーポイントをにぎっているといってさしつかえない。この期間における看護の方法も特別に新しいものではなく,ほとんどすべてが看護原理なり各種疾患に対する看護の中に述べられていることであり,これらの各看護法をいかに現実の場において応用・実行するか,これがリハビリテーションの中における看護の大切な点である。これらの中から基本的なものをいくつかのよくみられる疾患および症状について述べてみる。
病室内の換気,温度,採光などはもっとも基本的なことであるが,これがうまくいっていない場合,もし呼吸器感染でも起こすと,せっかく手術がうまくいったり他の治療が成功しても思わぬ不幸をまねくことがある。
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