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ナースとリハビリテーション
芳賀 敏彦
1
1リハビリテーション学院
pp.40-41
発行日 1965年3月1日
Published Date 1965/3/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661913524
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日本の医療体系もどうやら予防,治療から一歩進んで慢性疾患や外傷につづくいろんな障害を残した人々に対しても私たち普通の人間と変りなく,社会に早くまたその能力に応して帰すというリハビリテーションの思想が広くゆきわたってきたのは大変喜ばしいことである。しかしまだなんといってもリハビリテーション体系が欧米のそれの如く必ずしも系統立ってはいない。このことは特に専門職の人々の不足に現われている。どちらかというとリハビリテーションはある特別な病院とか施設で行なわれるべきもので,一般綜合病院とか診療所,開業医,保健所では取り扱わないもののように考えられていることである。前者については看護婦の中から特に全般のリハビリテーション看護に通じる人々の再教育も,リハビリテーション看護婦と名づける程本腰を入れて教育されてもいないし,PT(理学療法士)OT(作業療法士)の本格的教育も昭和38年より私達の所で始めたばかりで,まだわずか20名たらずの第一回の卒業生を出すのも昭和41年春という現状である。
もちろん多くの看護婦,保母,教員,マッサージ師がそれぞれの施設で働いているが,それも医師の指導と自らの勉学でかろうじてその施設での要求に応じているだけである。
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