グラフ
超音波による脳血管障害の鑑別
板原 克哉
1,2
,
佐藤 元
2
,
高瀬 貞夫
2
,
高橋 郁郎
2
,
吉田 紀明
2
,
伊藤 辰男
2
,
村田 純治
2
,
入野田 侑宏
1東北大・脳研,脳神経内科
2東北大脳神経内科
pp.636-638
発行日 1967年5月10日
Published Date 1967/5/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402201762
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医学的に超音波を用いる診断方法がとくに外科方面で開発されてすでに15年に近く,日本における超音波医学の進歩と普及は欧米よりもさかんであるといわれており,日本超音波医学会も回を重さねること10回であることはそれを物語つている。そして乳腺,胆石,膵,肝,最近ではドフラー法およびパルス反射法を利用した心疾患の診断に進展しつつある。1)〜5)。
しかし,世界的にみても最も普及しているのは反射法Aスコープ方式による頭蓋内疾患の診断法であつて,通常Echoencephalographyとよばれて,日常の臨床診断に用いられている。たとえば,Fordら6)は1,000例の対象者のうち頭蓋内疾患867例を得,Echoencephalographyにおいて326例(37.6%)に中心線エコーの偏位を認め,X線脳血管写と対比してみて偏位ありとした誤診例が29例,偏位を認めなかつたとした誤診例が24例,合計53例の誤まりをおかしたと思われるうちでfalse positive 24例,false negative 23例,逆偏位6例というように,90%以上のよい確診率を示している。
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