Japanese
English
総説
脳血管障害における超音波
Neurosonology in Cerebrovascular Diseases
内山 真一郎
1
,
堤 由紀子
1
Shinichiro Uchiyama
1
,
Yukiko Tsutsumi
1
1東京女子医科大学附属脳神経センター神経内科
1Department of Neurology, Neurological Institute, Tokyo Women's Medical University
キーワード:
neurosonology
,
cerebrovascular disease
,
transcranial Doppler
,
carotid ultrasonography
,
transesophageal echocardiography
Keyword:
neurosonology
,
cerebrovascular disease
,
transcranial Doppler
,
carotid ultrasonography
,
transesophageal echocardiography
pp.1059-1070
発行日 1998年12月1日
Published Date 1998/12/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1406901364
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はじめに
最近,神経疾患を対象とした超音波の研究分野が神経超音波学(neurosonology)として確立されつつある。この神経超音波の対象となる最も重要な疾患はいうまでもなく脳血管障害である。脳血管障害患者の神経超音波検査としては中枢側から経頭蓋,経眼窩,頸部,心臓各超音波検査がある(図1)。これらの超音波検査は脳血管障害の高リスク患者の発見,病型診断,抗血栓療法の適応決定,治療効果の判定に非侵襲的で,反復可能な,安価で,必須のスクリーニング検査法として欧米では以前から位置づけられていた。これに対して,わが国ではこれまでMRI, MRA,SPECTに比べて十分認知されておらず,普及も遅れていたが,最近ようやく脳血管障害の日常臨床における神経超音波検査の重要性が理解されるようになり,急速な関心の高まりとともに,普及のテンポが速くなったように思われる。そこで,本稿では脳血管障害の診療に重要と思われる主な神経超音波検査の実施法と臨床的意義について概説する。
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