グラフ
TTCテスト—細菌尿のスクリーニング検査
小酒井 望
1
1順大・臨床病理
pp.633-635
発行日 1967年5月10日
Published Date 1967/5/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402201761
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腎盂腎炎,膀胱炎など尿路感染の診断には,尿中菌数が重視される。というのは,いわゆる中間尿を採取した場合はもちろん,無菌的にカテーテル尿をとつたとしても,尿道中の常在菌の混入をまぬがれないのである。したがつてこのようにとつた尿中に菌がいても,それが尿路感染の原因菌か,混入した尿道常在菌なのか区別がつかない。しかし中間尿にしろ,カテーテル尿にしろ,注意深くとれば,尿に混入する常在菌(雑菌)はごくわずかである。一方尿路感染があれば,ふつう尿中菌数は非常に多い。そこで尿中の菌数を調べ,菌数の多少から尿路感染の有無が診断されるようになつた。
尿中菌数が105/ml以上であれば感染尿,それ以下であれば常在菌の混入と考えて,たいていの場合まちがいない。この尿中菌数を調べるには,尿の定量培養が必要である。
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