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"行きつけばまた新しき里の見え"—山極勝三郎博士との対話
長谷川 泉
pp.1742-1743
発行日 1966年12月10日
Published Date 1966/12/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402201592
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日本で開かれた国際ガン会議
長谷川 日本で初めて開催された第9回国際ガン会議が大きな成果をおさめて去月29日に終わりました。68力国の参加国,4442名という世界各国のがん学者の参加を得ての国際会議で,いまさらながら先生の研究業績をつぐ日本のがん研究の精進の成果がある前提で初めてこの成功が評価されると思います。その意味で,先生の遺影がひときわ光つていた国際ガン会議でした。
山極 わしらの時代はすでに終わった。山極・市川のタールガンが成功したのは1915年だから,それからもう50年もすぎている。昨年人工がん完成50年記念行事があつたことは知つている。科学は日進月歩だから,がん研究はもつと大幅な進展を見せるだろう。4年後の1970年に第10回国際ガン会議がアメリカのヒューストンで開かれるときには,がん研究は治療面と結んでの飛躍を見せていることだろう。
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