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久留勝先生を悼んで
村上 忠重
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1順天堂大学医学部第1外科
pp.1381
発行日 1970年10月25日
Published Date 1970/10/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1403111263
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少時御入院というお話は承知していたが,前にもあったことなので,すぐまたお元気を回復されるものとばかり思っていた矢先,久留先生が御逝去になったという報に接し,一瞬心臓の止まるような感を受けた.肺性心とのことで,お話を伺うと余計残念に思われる.ここに雑誌「胃と腸」編集同人,ならびに全読者一同とともに,謹んで哀悼の意を捧げる.
先生の御業績に就いては今さら申すまでもないことであるが,学問に対する情熱,外科手術における練達,切除材料に対する徹底的な研究,それにもとつく秀れた論証性,さらにその上に立った後進の指導と,何から何まで優れておられ,これ以上の指導者はあり得まいと思われる方であった.ことにその御専門が乳癌ならびに消化管の癌,癌痛を除去するための脊髄の機能の研究など,私どもにとってはどのお話を聞いても教訓となることばかりであった.
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