特集 赤痢(Ⅱ)
随想
小島三郎先生のプロフイル
八田 貞義
pp.65-67
発行日 1954年8月15日
Published Date 1954/8/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401201448
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「赤痢の大先達,志賀,二木,箕田の三先生はいずれも御健在でおられる。私ども後輩はこの三先生の御在命中に日本国内から鮮かに赤痢を殲滅して御覧にいれなくてはならない。たとえ赤痢患者をただの一人も発生しないようなすばらしい成績はあげられなくとも,今後は毎年全国の赤痢患者を集計しても5000名以上には昇らない。死亡者はただの一人もいないという赤痢防疫対策の黄金時代を早く招来しなくてはならない。これが私の悲願である」と烈々たる気迫を吐露される熱烈な赤痢挑戦者小島三郎先生は,文字通り消化器系伝染病(食物中毒症を含めて)の予防撲滅を一生の事業として挺身されている。したがつてこれに関連する細菌(シゲラ・サルモネラ),疫学,消毒,上下水道を含む一切の環境衞生に関する研究業績は幅も広くその数も甚しく多い。たとえ「赤痢と先生」にその範囲をしぼつてみても書くことは山ほどにある。かくて限られた紙数内では,勢い断片的な記述に止まることを予めお断りしておかねばなるまい。
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