痛みのシリーズ・3
偏頭痛
清原 迪夫
1
1東大麻酔科
pp.62-63
発行日 1966年1月10日
Published Date 1966/1/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402201141
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この偏頭痛症候群は,Wolfらによって(1938〜1948年)研究されて,一つの血管性変化が注目された。すなわち,Scotomasのような前駆視力障害―後頭部皮質の脳血管の収縮による阻血―によることが示された。しかも,亜硝酸アミルの血圧低下を起こさない程度の吸入で,5〜7分後には症候緩解が見られることから,paresthesiaやaphasiaをも説明できるとされた。
頭痛は,通常,視症状が消失した後に現われ,外頸動脈分枝血管の拍動の増大(血管拡張を示す)を示し,蓚酸エルゴタミン(0.4mg)の静注後,縮期および弛期血圧が上昇すると,側頭部の拍動振幅は減少し,そのあとで頭痛は軽減,ついで緩解する。このことは,総頸動脈の圧迫が一時的に頭痛を消失させ,圧迫除去で頭痛が再現するPickering(1939)の報告の裏づけをするものである。
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