文献抄録
偏側性の腹部停留睾丸について
pp.957
発行日 1979年10月20日
Published Date 1979/10/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1413202825
- 有料閲覧
- 文献概要
偏側性でかつ触知できない停留睾丸の治療については,その睾丸の将来悪性化率の高いこと,妊孕性の問題あるいは美容的問題などを考慮して処置しなければならない。
従来腹部停留睾丸に対して睾丸固定術を行なう理由としては,固定した睾丸からの精子形成能あるいは問細胞からの男性ホルモン分泌を期待しているわけであるが,最近の諸家の意見では腹部停留睾丸は,先天的な発育不全の状態にあり,精子形成障害があるのみならず,悪性化率の頻度も非常に高いと言われている。Hadziselimovicらによると停留睾丸では既に2歳前後において精細管障害あるいはgerminal細胞数の低下が見られて先天性の欠陥が指摘されている。
Copyright © 1979, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.