今月の主題
リウマチ性心臓病
河北 成一
1
1京大内科
pp.35-39
発行日 1966年1月10日
Published Date 1966/1/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402201129
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その背景にあるもの
リウマチ性心臓病とは"リウマチ熱に原因をもつ心臓疾患"であることはいうまでもないが,両者の関係はすでに18世紀後半に明らかにされ,Bouillaudによりリウマチ熱後に心内膜炎が発症し,弁膜症が形成されることが提案せられた。相前後してリウマチの心筋病変についてBretらを中心に病理学的な検討が加えられたが,1904年Aschoffはリウマチで死亡した心臓に,心筋間質の中小冠状血管枝の付近に存在し,間質結合織内で扇形またはロゼット形をなし,異常に大きく多核性の巨細胞を有する特殊結節(リウマチ結節またはアジョフ体)を発見し,結節の中心は壊死性原形質を有する細胞よりなり,周辺に大型核の細胞を有することを認め,これらの所見は弁膜症を伴つた心筋に普遍的に存在することを指摘して,リウマチ性心臓炎の病理規定がなされるとともに,以後リウマチ結節の成因をめぐつて論議が展開される導火線となつた。
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