文献抄録
胸腺の網様細胞にインシュリン様血糖降下因子発見せらる—JAMA, July 19, 1965メジカル・ニュースより
浦田 卓
pp.1837
発行日 1965年12月10日
Published Date 1965/12/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402201107
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胸腺にインシュリン様の血糖降下因子を発見したのは,ニューヨーク医科大学(ニューヨーク市)の研究者パンスキーおよびその協同研究者のローレンス・ハウス博士とローレンス・コーン医学博士の3人である。
彼らは,白血病にかかつたAKR系ハツカネズミの糖代謝異常を研究していたさい,ある種の血糖降下因子が胸腺にあるのではなかろうかと,ふと気がついたのである。メスのAKRハツカネズミに進行性の低血糖症がおきると,胸腺は肉眼的に肥大するとともに,胸腺の組織は組織学的な崩壊を示す。白血病のAKRハツカネズミの胸腺だけでなく,非白血病の各種の哺乳動物の胸腺に,血糖降下因子を探求しようという意欲に彼らを駆りたてたのは,じつに上記の発見であつた。
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