文献抄録
"第2遣伝系"の発見—ガン発生機転との関係が深い—"JAMA" June 7, 1965 "医学ニュース"より
浦田 卓
pp.1413
発行日 1965年9月10日
Published Date 1965/9/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402200999
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はじめに:
ソビエトのプラズマジーンplasmageneは別として,従来の正統遺伝学では,遺伝子geneに相当するDNA(すなわちdeoxyribonucleic acidの略)は核内の染色体にあり,核外にはないものとされていた。核内のDNAのもつ遺伝情報は,メセンジャーRNAによつて核内から核外に運ばれ,蛋白質合成の場であるマイクロゾームmicrosomeのRNAに伝達されると,考えられていたのである。
一方,細胞原形質中に多数存在するミトコンドリアmitochondriaは,そのなかに多数の酵素を蔵し,ここではもつぱら基質から自由エネルギーが抽き出される,と考えられていたのである。つまりミトコンドリアは,ミクロゾームのような合成工場にあらずして,エネルギーを発生する発電所である,というわけである。
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