話題
開業医は制がん剤をどの程度まで使用してよいか
増田 正典
1
,
中島 吉彌
1
1京都府立医大・内科
pp.939
発行日 1965年6月10日
Published Date 1965/6/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402200884
- 有料閲覧
- 文献概要
近年悪性腫瘍の治療に関する研究は各分野において目ざましいものがある。このうち化学療法が比較的重要視されるに伴ない,いろいろの角度から悪性腫瘍と化学療法との相互関係が検討されてきた。Oldらは担がん宿主の抵抗性と化学療法について,網内系と密接な関係を有することを指摘している。制がん剤を投与した場合一時的に制がん効果が得られてもその後間もなく著明な副作用のため重篤な症状に陥つたりあるいは制がん剤投与により逆に腫瘍が増大する,いわゆるadvers effectがしばしば経験される。これらはいずれも上述の担がん生体の抵抗力と制がん剤との相互関係にもとづくものとして解釈されている。
Copyright © 1965, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.