文献
アンフォテリシンB—特にその毒性について
外島 英彦
1
1伝染病研究所
pp.400-401
発行日 1965年3月10日
Published Date 1965/3/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402200742
- 有料閲覧
- 文献概要
1957年全身性真菌症の治療薬として登場したアンフォテリシンB(以下「アB」と略す)は,blastomycosis,histoplasmosis,cryptococcosis,coccidioidomycosis,aspergillosis,sporotrichosis,candidiasisに有効で,特にそれまで100%の致死率であつたクリプトコッカス髄膜炎では,この薬の使用によつて,15%まで死亡率を下げるという劇的効果を示した。しかし,その強い毒性が臨床上重大な問題となつている。以下,若干の薬理学的事項および副作用に関する報告を紹介する。
抗真菌抗生物質「アB」は放線菌類の一種であるstreptomyces nodosusによつて産生される抗生物質である。放線菌類は400種以上にのぼる抗生物質を産生し,その阻害作用を示す対象は,原虫類,藻類,腫瘍細胞,真菌,スピロヘータ,細菌,リケッチア,PPLOなどの広範囲に及んでいる。このうち抗真菌作用を有するものの多くは-C=C-の構造を有することが知られており,このことからpolyene antibioticsと呼ばれている。
Copyright © 1965, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.