今月の主題 アルコール性障害のトピックス
臓器障害,なぜ起こるか
循環器—アルコールの急性毒性および慢性毒性の発生機序
南 勝
1
,
安田 寿一
2
1北大・循環器内科
2北大・内科
pp.1356-1358
発行日 1976年10月10日
Published Date 1976/10/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402206769
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はじめに
アルコールの慢性摂取と,臨床的なアルコール性心筋症との間には,経験的に相関のあることが示唆されている1)が,この病因に関して,アルコールの果たしている役割については議論の多いところである.
ここでは,長期のアルコール摂取者にしばしば合併する,ビタミンB1欠乏による脚気心2)や,ビール中の添加物であるコバルト塩過剰摂取によるコバルト心筋症3)のように原因の確定できるものを除いて,エタノール単独の心筋への影響,とくに心筋構造への影響,心機能との関わり合い,毒性発現の機序などを,急性と慢性効果に分けて考察を加えたい.
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