白血病診療essentials 日常臨床に必要な最新の診断と治療
治療関連毒性への対策 化学療法薬に関連する毒性とその対策
中田 匡信
1
1札幌北楡病院 血液内科
キーワード:
Dexamethasone
,
Serotonin Antagonists
,
腫瘍崩壊症候群
,
嘔吐
,
悪心
,
口腔疾患
,
口腔粘膜
,
抗腫瘍剤
,
輸液療法
,
利尿剤
,
Aprepitant
,
Serotonin 5-HT3 Receptors
,
Palifermin
,
口腔ケア
Keyword:
Antineoplastic Agents
,
Dexamethasone
,
Diuretics
,
Mouth Diseases
,
Mouth Mucosa
,
Nausea
,
Serotonin Antagonists
,
Vomiting
,
Tumor Lysis Syndrome
,
Receptors, Serotonin, 5-HT3
,
Fibroblast Growth Factor 7
,
Aprepitant
pp.280-284
発行日 2010年8月1日
Published Date 2010/8/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00974.2010289037
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抗がん剤による口腔粘膜障害に対する予防の基本は口腔内を清潔に保つことである。抗がん剤による口腔粘膜障害に対する新規薬剤として、palifermin(keratinocyte growth factor-1)、intestinal trefoil factor(ITF)が期待されている。抗がん剤による悪心・嘔吐に対する予防にはセロトニン(5HT3)受容体拮抗薬、ステロイド、ニューロキニン1受容体拮抗薬の組み合わせ療法が有効である。腫瘍崩壊症候群(TLS)は、血液腫瘍のように抗がん剤に対する感受性が高い腫瘍において、とくに化学療法後に起こり、ときに死にいたる重要な合併症である。TLSに対する予防と治療は大量補液による利尿が基本となる。高尿酸血症を伴うTLSに対しては、尿酸オキシダーゼの遺伝子組換え製剤であるrasburicaseが有効である。
©Nankodo Co., Ltd., 2010