増刊号 CT・MRI—“戦略的”活用ガイド
特殊検査とオーダーのポイント
脳動脈精査(CTAおよびMRA)
内野 晃
1
1埼玉医科大学国際医療センター画像診断科
pp.210-216
発行日 2014年11月1日
Published Date 2014/11/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402200064
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頸部〜頭蓋内CTA
検査方法
可能な限り,①右肘関節部で,②20 Gの穿刺針で静脈確保を行う.右肘関節部では,橈骨側の静脈よりも正中部の静脈のほうが好ましい.左上肢では,左腕頭静脈が正中を越える部位での通過障害が強いと,造影剤が頭蓋内へ逆流して1),心臓への流入が遅れるため,良好なcomputed tomography angiography(CTA)が得られない.20Gよりも細小の穿刺針では,必要な注入速度が得られない.穿刺は看護師が行う施設が多くなったが,主治医を含めた穿刺をする可能性のある医療従事者すべてに重要なこの2点を周知徹底させる.もっとも,右上肢での血管確保が困難な症例では,左上肢その他を選択せざるを得ない.
撮像装置は,頸部〜頭蓋内までの撮像の場合,64列以上の多列検出器型CT装置ないしは320列などの面検出器型CT装置が必要である.頭蓋底付近の頭蓋内動脈のみならば,16列CT装置でも撮像可能である.詳細は省略するが,370mgI濃度の造影剤を4mL/secの注入速度で,60mL投与して,直ちに生理的食塩水を注入する.
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