増刊号 CT・MRI—“戦略的”活用ガイド
症状別検査オーダーのポイント
骨盤部
竹内 麻由美
1
,
松崎 健司
1
1徳島大学病院放射線科
pp.178-189
発行日 2014年11月1日
Published Date 2014/11/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402200062
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骨盤部では泌尿生殖器や消化管,腸間膜,後腹膜などから良性・悪性の腫瘍性病変や炎症性疾患,ホルモンの状態や血行動態の変化に起因する腫瘍類似疾患,内膜症性病変などさまざまな疾患が発生し,多彩な臨床像と画像所見を呈する.適切な治療方針の選択のため,画像診断の果たす役割は大きい.
生殖可能年齢の患者では生殖機能の温存も重要であり,過剰な侵襲や被曝を避けることに留意する必要がある.女性生殖器では子宮および付属器疾患,男性生殖器では前立腺疾患の診断において,X線被曝がなく組織コントラストに優れるMRIの有用性が確立されており,骨盤部画像診断の中心となる.一方,生殖器疾患の診断においてCTは主に救急疾患や悪性腫瘍の病期診断を目的として施行され,特に生殖可能年齢の患者に対して安易に第一選択としてオーダーすべきではない.
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