連載 失敗例から学ぶプレゼンテーション患者説明から学会発表まで・10
質疑応答に対処する
植田 育子
1
,
田中 雅美
2
,
竹本 文美
3
,
八幡 紕芦史
4
1慶應義塾大学医学部循環器内科
2津田沼中央総合病院病理センター
3独立行政法人地域医療機能推進機構東京城東病院内科
4国際プレゼンテーション協会
pp.373-377
発行日 2015年2月10日
Published Date 2015/2/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402223128
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
窮地に立たされる
大学の助教であるあなたは,医局の研究報告会で,現在取り組んでいる臨床研究を紹介することになった.プレゼンでは,研究の背景,方法,プライマリーエンドポイント,目標症例数,適格基準などについて説明した.
話し終えて,「何かご質問はありませんか?」と尋ねたところ,2人の聴き手が手を挙げた.あなたは「それでは,まず前列の方から」と質問を促した.「症例数は,どのように決めたのですか?」との質問.そこで,「ネットでみつけた無料のツールで症例数を算出しました」と答えた.質問者はさらに,「症例数が集まらない場合はどうしますか?」と質問をした.これはまったく想定外で,あなたは窮地に立たされた.何か答えなくてはという焦りから「症例数が集まるまで続けます.絶対に集まります!」と感情的に対応してしまった.
Copyright © 2015, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.