書評
消化管の病理学
寺野 彰
1
1獨協医科大学
pp.99
発行日 2005年1月10日
Published Date 2005/1/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402107507
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藤盛教授が「もうすぐ出ますよ」とにんまりして筆者に話しかけたとき,「え?何が?」という返事に,「嫌だなあ.『消化管の病理学』ですよ.僕のライフワークなんだから」と不満そうな顔だったのが2,3カ月前のことである.「ああそうか.ついに出るのか」というのが筆者の感想であった.たしかに数年前から,同氏が“これまでとは根本的に違った独創的な消化管病理学のtextbookを出すのだ”と息巻いていたことは知っていた.このあたりのいきさつについては序文に詳しい.序文とあとがきを読むと,同氏の本書にかけた情熱が伝わってくる.同時に,本書の完成には極めて多くの人びとがかかわってきたことに驚きを禁じ得ない.藤盛教授の単著の形式を取ってはいるものの,これだけの人々が症例を提供し,病理標本を作製し,すばらしい写真をとり,本書に大きな貢献をしてきたらしいことがわかるし,氏もこの点に謙虚に深甚の意を表している.
さて,本書の特徴を筆者なりに(病理学の素人として)挙げてみたい.
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