書評
日常診療でみる人格障害―分類・診断・治療とその対応
小野 繁
1
1東京医科歯科大学大学院医歯学総合研究科
pp.708
発行日 2004年4月10日
Published Date 2004/4/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402107448
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人格障害という言葉は知っていても,実際にこの領域の人が患者さんとして,あるいは日常生活のなかで遭遇していることがあっても,実際はっきりと精神医学的な人格障害として受け止めることは少ないと思われる.近年,この言葉が医療のなかで問題を起こすことで,意識せざるを得ない状況にあるのではないだろうか.
私自身,長年にわたり身体医学を実践してきたが,故小此木啓吾先生の精神分析ゼミナールへの参加を契機に,初めて人格障害なるものを意識するようになった.身体医学に携わる医師にとっては,精神的な問題を背景にもっている患者さんは苦手である.患者さんのなかにこの領域の人がいると,その対処法に苦慮するのみならず,これが医療問題に発展することもある.
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