書評
―齋藤昭彦 監訳 新潟大学小児科学教室 翻訳―ネルソン小児感染症治療ガイド―原書第19版
青木 眞
pp.2189
発行日 2013年12月10日
Published Date 2013/12/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402107250
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はじめに
聖路加国際病院院長の日野原重明先生のお招きで筆者が帰国した1992年当時,日本の臨床感染症とでも呼ぶべき領域はきわめて希薄であった.筆者は臨床感染症の軸となる抗菌薬の削減・適正使用をはじめとする感染管理,感染症診療にと動いた.研修医教育も始め,その対象に当時小児科研修医であった齋藤昭彦先生の姿もあった.時に厳しすぎたかもしれない教育も彼は甘んじて受け入れ,今度はその齋藤先生が小児感染症領域における日本のリーダーとして彼我の格差を是正する番になった.監訳の序で齋藤先生いわく「海外と国内での小児における抗微生物薬の使用に関するギャップがある……(中略)……国内の臨床の現場でこれらの問題は大きく,これをどう解決し,そして世界標準の治療にどう近づけるかはこれからの大きな課題である」と述べている.
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