書評
―赤坂清和・齋藤昭彦(監訳)―「メイトランド脊椎マニピュレーション 原著第7版」
柳澤 健
1
1首都大学東京
pp.46
発行日 2009年1月15日
Published Date 2009/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1551101333
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今年84歳を迎えたMaitlandの名著「Maitland's Vertebral Manipulation, Seventh Edition」が翻訳された.豪州の理学療法士であるMaitlandを含めた4名による編集であり,初版は1964年であった.第7版ではCD-ROMが加わり,イラストや写真の不明瞭な箇所を動的に補って極めてわかりやすく編集されている.本書は13名の理学療法士による分担翻訳であるが,赤坂・齋藤両教授によって用語などが見事に統一されていて,わかりやすい文章に仕上がっている.
本邦の理学療法界では,モビライゼーションは一般化された用語であるが,マニピュレーションとモビライゼーションの相違が不明瞭なことが多い.両者はいずれも他動運動である.マニピュレーションは広義では神経筋骨格障害に対するあらゆる他動運動手技を含めた一般的用語であり,狭義では小さな可動域で施行される小振幅の素早い他動運動である.モビライゼーションは他動振幅運動(全可動域の任意の部位で施行)と持続的伸張(最終可動域での小振幅運動)に分けられる.
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