連載 神経診察の思考プロセス 一般内科外来のカルテから・9
記憶障害の2例
大生 定義
1
1立教大学
pp.2266-2269
発行日 2013年12月10日
Published Date 2013/12/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402107244
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症例1 奥田やよい(仮名)58歳女性 右利き
娘とともに受診.受診の3時間ほど前,友人と長電話をしていた.途中で言い合いになったようで,声が大きくなった.たまたま,訪問中の娘がそばにいったところ,電話で「なぜ電話をくれた」と同じ質問を繰り返すのが聞こえた.いつもとは違う様子に娘は電話を切らせて,患者に話しかけてみたところ,患者は「なんであなたがここにいるの」と質問してきた.娘は「お菓子を届けにきたんでしょう」と答えるも,いったん納得したが,すぐに同じ質問をしてくる状態が続いている.ボケの始まりかと相談にきた.
問診票の診察前の血圧138/85mmHg,脈拍78回/分 整,体温35.8℃
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