Japanese
English
特集 高次脳機能障害の診断とリハビリテーション
記憶障害
Memory disorder
岡﨑 哲也
1
Tetsuya Okazaki
1
1産業医科大学若松病院リハビリテーション科
1Department of Rehabilitation Medicine, Wakamatsu Hospital of University of Occupational and Environmental Health
キーワード:
記憶障害
,
記憶検査
,
外的補助手段
,
領域特異的知識
,
メタ記憶
Keyword:
記憶障害
,
記憶検査
,
外的補助手段
,
領域特異的知識
,
メタ記憶
pp.1005-1009
発行日 2015年11月10日
Published Date 2015/11/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552200411
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はじめに
記憶には情報を取り込み(記銘),取り込んだ情報を保存し(保持),保存した情報を取り出す(再生)過程を含む.記憶は記憶の保持時間をもとにすると表1に示すように臨床神経学の立場からは3つ,心理学の立場からは2つに分類される.記憶内容によっては図1のように分類され1),陳述的記憶に含まれるエピソード記憶は個人が経験した具体的出来事の記憶である.それぞれの記憶を支える脳内システムは異なるため,ある記憶が低下していても別の記憶は保たれることが起こりうる.また,時間軸のもとに発症よりも以前のことが思い出せない逆向性健忘と発症以降の新しいことを覚えられない前向性健忘がある.本稿ではさまざまな脳疾患のリハビリテーションにおいて対応を求められる機会が多い前向性健忘,近時記憶障害,エピソード記憶障害の評価とリハビリテーションについて述べる.
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