特集 内科診療にガイドラインを生かす
循環器疾患
不整脈
高橋 尚彦
1
1大分大学医学部循環器内科・臨床検査診断学講座
pp.45-49
発行日 2013年11月1日
Published Date 2013/11/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402107077
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内科診療に役立つ国内外のガイドライン
不整脈診療に関するガイドラインとして,日本循環器学会刊行のものと,欧州心臓病学会(ESC)刊行のものが参考にされることが多い.心房細動は患者数が多く,重篤な合併症として脳卒中の頻度が高いことから,心房細動に特化したガイドラインが多く刊行されている.米国心臓学会(ACC)/米国心臓協会(AHA)/米国不整脈学会(HRS)からのガイドラインもあるが,ESCガイドラインのほうが本邦の臨床に即している印象を受ける(表1).また,2011年以降,新規抗凝固薬が登場し,心房細動患者に対する抗血栓療法は大きな変革期を迎えている.この点につき,本邦からは「心房細動における抗血栓療法に関する緊急ステートメント」が,ESCからは「ESC心房細動治療ガイドライン限定アップデート2012年版」が公表された.一方,不整脈全般および心不全に対する非薬物療法として,カテーテルアブレーション,植込み型除細動器(ICD),心臓再同期療法(CRT)・両室ペーシング機能付き植込み型除細動器(CRT-D)の進歩も著しく,これらを扱ったガイドラインも日本循環器学会から刊行されている.
欧米からのガイドラインには,適宜,推奨度(クラスⅠ~Ⅲ)とエビデンスレベル(A~C)が記載されており,日本循環器学会のガイドラインもこれに倣っている.
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