増刊号特集 泌尿器科手術における合併症管理のすべて
Ⅳ.術後合併症とその管理
2.循環器系
不整脈
岩村 正嗣
1
Masatsugu Iwamura
1
1北里大学医学部泌尿器科
pp.263-266
発行日 2001年3月30日
Published Date 2001/3/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1413903229
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1 はじめに
周術期に発生する不整脈は15〜85%もの患者に認められると報告されている1)。なかでも上室性,心室性期外収縮,そして心室性頻拍などの不整脈は,多くの健康人においてもすべての年齢層で認められる。"健康人"にみられるこれらの不整脈に臨床的に重要なものは少なく,致命的になることは稀である。一方,生命に影響を及ぼすような危険な不整脈はおそらく全体の1%以下で,その多くは心疾患を有した患者に発生する2)。
泌尿器科を含めた外科領域において認める不整脈としては,(1)患者が術前より素因を有した不整脈,すなわち年齢,基礎疾患,合併疾患,薬剤,全身状態などに関連して生じる不整脈,(2)術中の麻酔操作,麻酔薬,あるいは手術操作に関連して生じる不整脈(3)術後合併症としての不整脈,の3つに分けられる3)。不整脈の発生機序を理解し,これを治療するうえで心臓の刺激伝導メカニズムと心電図に習熟しておくことはきわめて亜要であることはいうまでもないが,その解説は誌面の関係上成書に譲る。
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