特集 内科診療にガイドラインを生かす
総論
エビデンスとコンセンサス
野口 善令
1
1名古屋第二赤十字病院総合内科
pp.18-20
発行日 2013年11月1日
Published Date 2013/11/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402107071
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なぜガイドラインにエビデンスが必要なのか?
ひと言で言えば,有効性のない治療法を推奨するのを防ぐためである.
人間の認識力には限界があり,治療法の有効性について正しく判断できないことがしばしばある.たとえば,疾患の自然経過による改善,プラセボ効果,ホーソン効果(実際には治療効果がないのに患者が医師から観察されることによりアウトカムが改善する現象)などは非特異的効果として知られ,本当は治療効果がないのに見かけ上効果があるようにみえる原因となる.また,偶然の影響によって,実際には効果がないのにたまたま自分が治療効果を観察したときに限って有効となることもある.医療の専門家といえどもこれらの影響から逃れることはできない.特に治療効果が小さい場合,治療を行ってから効果が出るまでの時間がかかる場合に影響は顕著になる.
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