胆道癌診療ガイドラインを学ぶ 最新のエビデンスとコンセンサス
胆道癌診断のエビデンスとコンセンサス
塚田 一博
1
,
魚谷 英之
,
澤田 成朗
,
森田 誠市
,
吉岡 伊作
,
松井 恒志
1富山大学 大学院消化器・腫瘍・総合外科
キーワード:
Carcinoembryonic Antigen
,
超音波診断
,
内視鏡的逆行性胆道膵管造影
,
胆道腫瘍
,
CA-125抗原
,
CA-19-9抗原
,
EBM
,
診療ガイドライン
,
磁気共鳴胆道膵管造影
,
マルチスライスCT
Keyword:
Cholangiopancreatography, Endoscopic Retrograde
,
Biliary Tract Neoplasms
,
Carcinoembryonic Antigen
,
Ultrasonography
,
Practice Guidelines as Topic
,
Evidence-Based Medicine
,
CA-125 Antigen
,
CA-19-9 Antigen
,
Cholangiopancreatography, Magnetic Resonance
,
Multidetector Computed Tomography
pp.11-18
発行日 2009年1月1日
Published Date 2009/1/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00393.2009071796
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胆嚢癌には特徴的な臨床症状はなく、一方、胆管癌や乳頭部癌は黄疸を契機に診断される。しかし、胆管癌や乳頭部癌においても早期発見のための特異的な臨床症状はなく、早期発見できる腫瘍マーカーはない。胆道癌を疑ったらまず超音波検査がファーストステップである。さらに、セカンドステップの精査には造影CTとくにmultidetector-row CTが推奨される。直接胆道造影で得られる情報は磁気共鳴胆管膵管造影(MRCP)でも可能になった。しかし、胆管水平方向進展の検索には直接造影が必要である。また、存在診断には最終的に生検が必要な場合があり、一方で手術適応にはCTは欠かせない。このほか、各種検査法は個々の症例に合わせた選択が必要である。以上のような胆道癌診断に関しての症状や検査法の評価は、ほとんどがエビデンスレベルはIV以下の論文であり、診断のガイドラインの多くは専門家の意見の一致という推奨度に基づいて作成された。今後は診断に関して前向きな検討と評価が必要である。
©Nankodo Co., Ltd., 2009