特集 内科医のためのクリニカル・パール2
血液・腫瘍
血液疾患のクリニカル・パール
神田 善伸
1
1自治医科大学附属さいたま医療センター血液科
pp.1556-1559
発行日 2013年9月10日
Published Date 2013/9/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402106975
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貧血の診断は,まず網状赤血球をみることから始める
貧血の病態として,骨髄での赤血球の産生が低下している場合と,末梢での消費(出血,溶血など)が亢進している場合がある(時にはこの両者が混在する).骨髄での赤血球産生量の指標として役に立つのが網状赤血球数(reticulocyte)である.網状赤血球は赤芽球が脱核したばかりの赤血球で,細胞質のRNAが網状に染色されるが,翌日には通常の成熟赤血球になる.赤血球の寿命が120日なので,日々失われる赤血球と新たに産生される赤血球が平衡状態にある場合(すなわち健常な状態)では,赤血球の1%程度が網状赤血球ということになる(絶対数として2~8万/μL).骨髄の機能や腎のエリスロポエチン産生能が正常の場合,貧血状態になればエリスロポエチンの上昇に伴って赤血球の産生量が増加するため,網状赤血球絶対数は増加する.
網状赤血球絶対数=全赤血球数×網状赤血球割合(%)
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