連載 実は日本生まれの発見・7
ANP,BNP―日本が誇る世界をリードしてきたテーマ
水野 雄二
1,2
1熊本加齢医学研究所
2熊本機能病院循環器内科
pp.1131
発行日 2013年7月10日
Published Date 2013/7/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402106904
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BNP(脳性またはB型ナトリウム利尿ペプチド)は,現在,心不全の重症度の指標として臨床検査で広く用いられている.また,注射薬としても,海外でBNPが,日本でANP(心房性またはA型ナトリウム利尿ペプチド)が用いられ,特にANP(hANP:カルペリチド)は国内で急性心不全治療薬のトップシェアを獲得している.
これらのナトリウム利尿ペプチドの研究は,日本の偉大な研究者達が一丸となって世界をリードしてきたといえるであろう.その歴史をたどると1981年にde Boldにより,心臓に利尿作用のある顆粒が存在することが報告されていたが,その分子構造(ANP)を明らかにしたのが松尾壽之先生,寒川賢治先生(当時宮崎医科大学生化学研究室)であった.後に,お二人らは,BNPやCNP(C型ナトリウム利尿ペプチド)の構造も解明されている.
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