新しいneuropeptides・6
LeumorphinとANP
山田 敬行
1
,
中尾 一和
1,2
,
伊藤 裕
1
,
森井 成人
1
,
塩野 尚三
1
,
坂本 誠
1
,
菅原 照
1
,
斉藤 能彦
1
,
向山 政志
1
,
荒井 宏司
1
,
細田 公則
1
,
白神 豪太郎
1
,
井村 裕夫
1
Takayuki YAMADA
1
,
Kazuwa NAKAO
1,2
,
Hiroshi ITOH
1
,
Narito MORII
1
,
Shozo SHIONO
1
,
Makoto SAKAMOTO
1
,
Akira SUGAWARA
1
,
Yoshihiko SAITOH
1
,
Masashi MUKOHYAMA
1
,
Hiroshi ARAI
1
,
Kiminori HOSODA
1
,
Gotaro SHIRAKAMI
1
,
Hiroo IMURA
1
1京都大学第二内科
2京都大学放射性同位元素総合センター
pp.1580-1588
発行日 1987年12月15日
Published Date 1987/12/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542913532
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Leumorphin (ロイモルフィン)
1.歴史
1970年代の初期に脳内にアヘンアルカロイドであるモルヒネの特異的受容体が存在することが明らかにされ,1975年Hughesらにより最初の内因性モルヒネ様物質として2種類のペンタペプチド(メチオニン—エンケファリンおよびロイシン—エンケファリン)がブタ脳より単離同定された1).その後,種々の内因性モルヒネ様物質が発見され,現在では内因性オピオイドペプチドと総称されている.さらに,遺伝子工学的手法の導入により,これらオピオイドペプチドが異なった3種類の前駆体(プロオピオメラノコルチン,プロエンケファリンA,プロエンケファリンB)に由来することが判明した(図1)2).
プロエンケファリンBの全構造の解析の結果,C端部228〜256に一致する29個のアミノ酸より成るペプチドはそのN末端にロイシンーエンケファリン構造を含み,未知のオピオイドペプチドである可能性が示唆された3).著者らは,このフラグメントの合成ペプチドがモルヒネ様生物活性を有しK—タイプのオピオイドレセプターにアゴニストとして作用することを報告し,Leumorphin (ロイモルフィン)と命名した4).
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