書評
―馬場忠雄,山城雄一郎 編 雨海照祥,他 編集協力―新臨床栄養学 第2版
島本 和明
1
1札幌医科大学
pp.1093
発行日 2013年6月10日
Published Date 2013/6/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402106864
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栄養士,管理栄養士の先生方と学会や研究会で一緒になると,よく言われることは,医師は栄養学についてきちんと学んでいない,知らない,興味がない,そのような先生が多いという不満です.栄養学に関しては,我流で患者さんに接している医師が多く,栄養士の先生方が困ることもあるそうです.
確かに,自分自身で考えても,栄養学について系統的に授業を受けたことはありませんでした.栄養学という独立した講座は本学になく,医学部のなかでも栄養学講座をもっている大学はきわめて少ないのが実情です.講座がある学校でも,栄養学部を併設している場合か,糖尿病など栄養に密接に関連する臨床教室が名前をつけているケースが多く見受けられます.一方で,高血圧や糖尿病,脂質異常症,動脈硬化,肥満などの分野では,国の健康日本21政策もあって,予防医学の概念が重視され,栄養学についても討論,研究,そして応用する下地ができつつあります.特に,特定健診・特定保健指導が開始されて5年たち,種々の医学分野で食事療法,栄養学の概念がより大きな存在となってきています.
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