書評
―馬場忠雄,山城雄一郎(編) 雨海照祥,佐々木雅也,宮田 剛,島田和典(編集協力)―新臨床栄養学(第2版)
小越 章平
1
1高知医科大学
pp.850
発行日 2013年7月20日
Published Date 2013/7/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407104662
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このたび医学書院より,『新臨床栄養学』が6年ぶりに改訂になり刊行された。本書は馬場忠雄先生ならびに山城雄一郎先生が中心となり,それに若手というより現在,旬のベテラン4名が編集協力者として加わって全面改訂が行われ,第2版として刊行に至ったことに,まずはご同慶の至りと心よりお祝い申し上げる。
初版は紹介するまでもなく,故岡田正先生の孤軍奮闘の力作であり,当時は少なかった医家向けのスタンダードを目指したテキストで,かなり画期的と言えるものであった。栄養学にとってのこの30年は,高カロリー輸液,そして経腸栄養は成分栄養法を中心として方法論はもとより,その臨床効果は「抗生物質に並ぶ20世紀最高の治療手段」といわれ,重症患者の管理には不可欠のものとなった時代である。今から振り返って,当初臨床栄養学の全般を網羅するこのような教科書を完成させたのは,全く岡田先生の情熱のほかの何ものでもないと感心させられる。
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