書評
―柴﨑 浩 著―神経診断学を学ぶ人のために 第2版
祖父江 元
1
1名古屋大学大学院・神経内科学
pp.1115
発行日 2013年6月10日
Published Date 2013/6/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402106865
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柴﨑浩先生の「神経診断学を学ぶ人のために」改訂第2版が出版された.この書はすでに2009年に第1版が出版され大変好評であったが,今回,多くの改訂が加えられ装いも新たに出版されたものである.
まず,柴﨑先生ならではの大変な労作であると感じる.序で先生自ら述べられているが,電算化や画像化がどれだけ進んでも,神経診断学は学習と経験に基づいた病歴聴取と診察のなかから生まれるものであることをまず宣言されている.最近の神経診断がややもすると画像やコンピューターに基づく知識に偏りすぎていて,安直な形で進められてしまっていることへの警鐘にもなっている.神経診断学は,理論に基づき系統的に行えば正しい診断に達することができるものであり,かつその背後に潜む神経系の美しさや素晴らしさが見えてくることを示しているのが本書である.
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