連載 こんなときどうする?内科医のためのリハビリテーションセミナー・1【新連載】
嚥下障害①入院の場合
海老原 覚
1
,
上月 正博
2
1東北大学医学部内部障害リハビリテーション科
2東北大学大学院医学系研究科障害科学専攻
pp.722-725
発行日 2012年4月10日
Published Date 2012/4/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402105913
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連載にあたって
超高齢社会を迎え,また致死性疾患からの救命率の向上により,現代社会はさまざまな機能障害・慢性疾患を抱えたまま生活することが当然の生活様式になってきている.したがって,これまでの治癒中心の医学のみでは立ち行かなくなっており,障害・疾患を抱えながらも健常者と同じだけの機能維持を可能にする新しい医学の確立が早急に望まれている.振り返って日常診療をみてみると,障害をもっている高齢者などが急性疾患で入院し治癒しても,以前からもっている障害の程度が増したり顕在化したため退院阻害の要因になったり,急性疾患が完全に治癒できず慢性化(障害化)したり,急性疾患のために別の障害が出現しその対応に手間取り退院できないという問題が日常化している.これらの患者に対し,全人的で科学的に,そして効率的に対処することが日常診療のスキルとして不可欠になっているのが現代の医療事情である.そのような障害に対処するときにリハビリテーション(リハ)の考え方が役に立つ.
日常診療に従事している内科医にとってめざすリハの目標は多くの場合,とりあえず在宅への退院・社会復帰と考えられよう.本シリーズでは症例を示しながら,リハ医が日常的に行っていて,内科診療にも役立つ各障害における評価法を紹介し,それに基づく内科医としての対処のみならず,本人・家族への生活指導,看護師への指示例,などについて概説する.
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